事の発端は、PCで見ていたyahooニュースであった。「救急要請ファクス、気づかず15時間放置」この見出しに、聴覚障害者がらみの記事と直ぐに分った。
「広島市消防局が5月、同市東区の聴覚障害者の男性が体調不良を訴えて送った救急要請のファクスを約15時間、放置していたことが分かった。勤務していた職員9人は、別の救急業務などに追われて気づかなかったという。男性は自然回復して命に別条はなかった。」
たまたま自然回復をしたから良かったようなものの、命に直結する許しがたい由々しき問題である。直ぐにナシの会のHPの掲示板に投稿、皆さんに見てもらおうと思った。6月21日の事であった。
掲示板のしんさんの一行が気になった。
「そう言えば、徳島の消防局はFAXでの通報って可能なのでしょうか?」
徳島県ではどうなっているのだろう・・・?と思いはじめ、消防は市町村単位で管轄されている事を知っていたため、とりあえず徳島市と小松島市の消防本部にメールで状況の問い合わせをしてみた。
2日後、小松島消防本部からメールで回答があった。(この内容は掲示板に記載済み)
そして、その夜、聴覚障害者関係の方々が集まる会議があり、その場で更なる周知徹底を図るために、2つのFAX番号を記載したチラシが配布された。(下記に掲載)
実に迅速な対応で、驚くばかりである。真摯に受け入れ、考え、対応するところは、実に素晴らしいと思う。
次の日(3日後)午前10時28分、携帯に電話が入った。徳島市消防本部からだった。話しの内容は、問い合わせをしていた件に関する回答だった。
「FAXでは24時間対応している。取り忘れなど無いように対応ができている。FAXの番号は徳島市の聴覚障害者は全員知っているので大丈夫。」・・・この様な内容であった。
その夜、徳島県聴覚障害者制度改革推進徳島本部の会議があった。ご存知の通りこの会は、徳島市内を中心に、聴覚障害者関係の9団体が集まり組織されている、聴覚障害者関係では一番大きな組織である。
そこで、消防本部につながる、緊急用のFAX番号を知っているのかを聞いてみた。・・・・誰も知らなかった。当事者が誰も知らない・・・しかし消防本部は当事者は全員知っていると・・・・。
大きな問題点が見えてきた。
早速、再度徳島市消防本部に現状報告。それと本会の会員でもある徳島市議のK先生へ連絡。
K先生から直ぐに連絡あり、「早急に対応します」
次の朝、徳島消防本部より連絡あり。「以前に障害者連合会に連絡をしたので、全員に伝わったと思った・・・」、いやはや・・・。
K先生から連絡あり。
「通信司令室室長から回答あり。H6年よりFAX通信開始。H22年徳島市身体障害者連合会にFAX用紙30枚配布。(これにて周知徹底と誤認)
同HPよりFAX用紙ダウンロード可能。FAX受信時、ベルとフラッシュが作動、手動で解除するまで鳴り続けるため、取り忘れは無い。
周知が不十分だった事を認め、障害福祉課と連携して、チラシの作成。緊急通報用紙及び確認用紙等を交流プラザ中心に、各団体を通して周知に努める」との回答を引き出す事ができました。(用紙下記掲載)
今回、緊急用のFAXの件であった。もしかすればFAX通信は古い対応で、今風でないのかもしれない。しかし一人でも利用者がいるかも知れない、この事により助かる命があるのかも知れないと考えれば、どのような些細な事でも整備しておく必要があると考える。
ただでさえ聴覚障害者のコミュニケーション環境、情報保障環境は低位に追いやられているのである。
今回の対応で分った事が!
「必要な事をちゃんと指摘すれば、皆さん前向きに考えてくれる!」である。
気が付いた事は、何でも言いましょう!!
ダメで元々、言わなければ一生無理!!
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